歯科クリニックに行くと、入口で靴を脱ぎスリッパに履き替えるのが一般的だと思われがちですが、実は近年「靴のまま診療できる歯科クリニック」が増えています。意外に思われるかもしれませんが、実は靴のままのほうが衛生的だという考え方が広がっているのです。本記事では、その理由について解説します。
スリッパの方が不潔な理由
一見、靴を脱ぎスリッパに履き替える方が清潔に思えますが、実は逆のケースも多いのです。その理由として、以下の点が挙げられます。
- スリッパの使い回し歯科クリニックで用意されているスリッパは、多くの場合、複数の患者さんが共用します。消毒や交換が徹底されていないと、雑菌やウイルスが付着したままになることもあります。
- 裸足や靴下の菌が付着靴を脱ぐことで、素足や靴下に付着した菌や汗がスリッパに移ります。その結果、スリッパが汚染され、次に使用する人に菌が移る可能性が高くなります。
- 床の汚れの広がり靴を脱ぐ場所やスリッパの置き場所に菌が残りやすく、これが院内の床全体に広がるリスクがあります。実際、病院や医療機関ではスリッパの雑菌問題が指摘されることが多くなっています。
靴のままのほうが衛生的な理由
では、なぜ靴のままのほうが衛生的なのでしょうか?
- 靴底の汚れは管理しやすい近年の研究では、靴底に付着する細菌の種類は一定であり、床に落ちるリスクが低いとされています。また、クリニック側が定期的に床の消毒を行うことで、清潔な環境を維持できます。
- 感染症リスクの低減スリッパの使い回しによる感染症リスクを回避できます。靴のままの場合、患者ごとに異なる靴を履いているため、院内での菌の共有が少なくなります。
- 清掃がしやすい靴のまま対応のクリニックでは、床材や清掃方法が工夫されており、靴のままでも衛生環境を維持できるようになっています。これにより、従来のスリッパ方式よりも清潔な状態を保つことが可能です。
まとめ
「靴を脱いでスリッパに履き替えたほうが清潔」というのは、一見もっともらしい考えですが、実際にはスリッパの使い回しや菌の広がりを考えると、必ずしも衛生的とは限りません。むしろ、靴のままのほうが管理しやすく、清潔な環境を維持しやすいのです。
これから歯科クリニックを選ぶ際には、靴のまま診療できるクリニックが増えている理由を知り、より快適で衛生的な環境で診療を受けられるかどうかを意識してみてはいかがでしょうか?
