
「歯磨き粉ってたくさん種類があるけど、どれを選べばいいの?」「高いやつのほうがやっぱり効くの?」——そんな疑問を抱いたことはありませんか?
ドラッグストアの棚には、ホワイトニング、虫歯予防、知覚過敏ケアなど、さまざまな歯磨き粉がずらりと並んでいます。価格帯も100円台から数千円のものまであり、「値段で何が変わるの?」と思われるのも無理はありません。
まず結論からいうと、「高ければ良い」わけではありません。ただし、自分の口の中の状態や目的に合った成分が入っているかどうかが重要です。
歯磨き粉の価格差は何によるもの?
値段の差は主に以下のような要因で生じます。
- 薬用成分の種類と濃度:フッ素濃度が高い、知覚過敏抑制成分が含まれる、歯周病に有効な成分が入っているなど。
- 添加成分の質:研磨剤が低刺激だったり、天然由来成分を使っていたりする。
- 付加価値:ホワイトニング効果や口臭ケア、パッケージデザイン、海外ブランドなど。
たとえば、歯周病ケアに特化した歯磨き粉は、抗炎症成分や殺菌成分が豊富に含まれており、比較的高価格になることがあります。一方、シンプルに虫歯予防を目的とした歯磨き粉なら、ドラッグストアで手に入る安価なものでも十分効果があります。
目的別・おすすめ歯磨き粉の選び方
- 虫歯予防:フッ素配合のもの(特に1450ppm以上が効果的)
- 歯周病予防:殺菌成分(CPC、IPMP)や抗炎症成分(グリチルリチン酸など)が入ったもの
- 知覚過敏対策:硝酸カリウムや乳酸アルミニウム入り
- ホワイトニング希望:ポリリン酸ナトリウムやハイドロキシアパタイト入りの製品
歯磨き粉はあくまで“補助的な存在”であり、最も大切なのは正しいブラッシングです。高価な歯磨き粉でも、磨き方が雑であれば意味がありません。
歯科医の本音:必要以上に高いものは不要!
私たち歯科医が患者さんにおすすめする際には、「口の中の状態」や「生活習慣」に合わせた製品を提案します。例えば、歯磨きが丁寧な人にはフッ素重視のシンプルな製品を、歯周病のリスクがある方には薬用成分がしっかり入ったものを勧めるといった具合です。
また、フッ素は年齢やリスクによって適正濃度も異なります。子ども用は500ppm程度、大人用は1000〜1450ppmが一般的。高濃度フッ素(1500ppm以上)は一部の歯科医院や通販でのみ購入できます。
まとめ
「高い=良い」ではなく、「自分に合っているか」が歯磨き粉選びのポイントです。歯科医院で相談すれば、あなたの口の状態に合った製品を提案してもらえます。迷ったときは遠慮なくプロに聞いてくださいね。