冬になると虫歯が痛むのはなぜ?

冬になると、「なんだか歯がしみる」「虫歯が急に痛くなった気がする」という声を聞くことがあります。気温が下がると歯が痛むなんて、ちょっと不思議に思われるかもしれませんが、実はこれにはちゃんと理由があります。今日はそのことについて、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。

まず、歯は温度の影響を受けやすい組織で、外が冷えると歯の表面がキュッと収縮する性質があります。健康な歯ならあまり問題にはなりませんが、虫歯があったり、歯に小さなひびが入っていたりすると、その収縮が歯の中の神経に刺激を与えて痛みが出ることがあります。冬だけ痛むという方は、こうした細かいダメージが関係している場合が多いです。

それから、冷たい空気を吸い込んだときに歯がしみるのも、冬に多い症状です。歯の表面のエナメル質がすり減って中の象牙質が露出していると、冷たい刺激が直接伝わってしまいます。普段は気にならない方でも、冬の朝の冷たい空気で急にしみることがあります。

また、冬は血流が悪くなる季節でもあります。体が冷えると歯ぐきの血のめぐりも弱くなり、知覚過敏の症状が強く出る方もいます。特に元々しみやすい方や、歯周病で歯ぐきが下がっている方は注意が必要です。

もうひとつ、意外に思うかもしれませんが、寒さによるストレスで無意識に歯を食いしばっている方も少なくありません。強く噛みしめることで、虫歯の部分や歯に入っている詰め物の周りに負担がかかり、痛みが出やすくなることがあります。朝起きたときに顎がこわばっている感じがある方は、歯ぎしりや食いしばりの可能性もあります。

冬に歯が痛むのは、必ずしも虫歯が急に悪化したというわけではなく、こうした寒さによる影響が重なって起こることがあります。ただし、痛みが続く場合は虫歯や歯周病が隠れていることもあるので、自己判断せずに早めに診てもらうことをおすすめします。

寒い季節でも快適に過ごせるよう、気になることがあれば遠慮なくご相談ください。小さな痛みのうちに対処しておくと、大きなトラブルを防ぐことができます。